剥がれた突板の再生。
天板修理の全工程を公開
長年愛用されてきた木製テーブル。表面の天然木(突板)が剥がれ、中の芯材が剥き出しになってしまうと、通常のメンテナンスでは修復が困難になります。「もう寿命かな」と諦めてしまう前に、プロの技術による再生の可能性を知っていただきたい。そんな思いから、今回は深刻なダメージを受けた天板の修復工程を詳しくご紹介します。
1. 現状の確認とダメージの把握
お預かりした天板は、縁から突板が大きく剥がれ、内部の芯材(パーティクルボード)が露出していました。湿気や汚れを吸い込み、劣化が進んでいる非常に深刻な状態です。
2. 木部修理と丁寧な素地調整
塗装の前に行う『木部修理』。仕上がりを左右するとても重要な工程です。水分を含み反り上がった突板はアイロンで慎重に抑え、露出した下地のパーチクルボードは接着剤とクランプで強力に圧着。 残っている突板を最大限に活かしつつ、欠損部はパテで埋め、微細な凹凸まで緻密に埋めて平滑な面を再構築します。この段階で完璧な土台を作り上げることが、その後の美しい塗装へと繋がります。
3. 下塗りを重ね、表面をフラットに整える
欠損部分をパテで埋めて土台を補強した後、下塗りと研磨を最大5回繰り返します。研磨のたびにサンディングペーパーの番手を上げて微細なキズまで磨き上げる、この地道な反復こそがパテの境目を消し去り、平滑な面を生み出す鍵となります。下塗りを終える頃には、補修の跡を一切感じさせないほどフラットで均一な表面へと整います。
4. 修理完了。本来の美しさを取り戻した天板
仕上げのクリア塗装を経て、周囲を映し出すほどの輝きと鮮やかな木目が蘇りました。
ここで職人からお伝えしたい、大切なポイントがあります。
突板が完全に失われると、筆による『描き込み』や『色合わせ』などの補色作業が必要になります。
突板が残っている状態でご相談いただければ、天然木の木目の美しさを最大限に生かすことができ、追加料金を抑えたより自然で綺麗な仕上がりが可能です。
端が少しめくれたり、木肌が見え始めたりしたら、それは家具からのサイン。手遅れだと決めつける前に、まずは私たちにご相談ください。
Before / After
最後に、修理前と後の比較をご覧ください。
マルニファニシングでは、高度な塗装技術と丁寧な手仕事で、大切な家具の再生を承っております。
これまで共に歩んできた数えきれない思い出をそのまま引き継ぎ、この先も数十年と、ご家族の暮らしに寄り添い続ける一台へと蘇ります。
長年活躍してきた家具が再び息を吹き返す姿を見ることは、私たち職人にとっても大きな喜びであり、やりがいです。
『もう直らない』と諦めてしまう前に。愛着ある家具をこれからも長く使い続けられるよう、心を込めてお手伝いいたします。まずは一度、お気軽にご相談ください。