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マルニファニシング:大切な椅子を一生モノにする修理とメンテナンス

家具修理のプロが伝授!
愛着ある椅子を一生モノにするセルフケアと修理の境界線

毎日を共にするお気に入りの椅子やテーブル。長く愛用していると、ふとした瞬間に小さな傷やガタつきに気づくことがあります。
私たちマルニファニシングの職人は、修理品をお預かりするたび、使い込まれた木肌からお客様が過ごしてきた豊かな時間を想像し、温かい気持ちをいただいています。
今回は、マルニ木工を代表する名作の一つ、「HIROSHIMAアームチェア」の修理事例を交えながら、私たちが大切にしているメンテナンスの考え方をお伝えします。

職人の願い:ひび割れを見つけたら、そのままの姿で託してください

もし、不意の衝撃などで家具の一部にひび割れを見つけたら。「すぐに直してあげたい」と、市販の強力な接着剤を手に取られる方もいらっしゃるかもしれません。家具を想うそのお気持ちは、私たち職人も日々痛いほど感じています。

HIROSHIMAアームチェアのひび割れと、セルフ修理による接着剤の残留状態

市販の強力な接着剤が固まってしまうと、修復の際にそれを取り除く作業が必要になり、木肌を傷めないよう専用の道具を使って何時間もかけて慎重に除去しなければならないケースもあります。
「何かを加える前に、まずはそのままの状態で相談する」。これが、大切な家具を最も美しく、そして元通り健やかな状態へ戻すための、一番の近道なのです。

プロの技術が光る「修復の舞台裏」

お預かりした家具は、接着剤の丁寧な除去を経て、単に「くっつける」だけではない緻密な工程をたどります。ミリ単位のズレも許さない正確な再接着を行い、専用のクランプで強固に固定。わずかな隙間も逃さずパテ埋めを施し、木肌の凹凸を完璧に整えます。

熟練の職人による再接着とパテ埋め塗装の工程

そこからさらに熟練の研磨と部分塗装を重ねることで、どこに傷があったのか、プロの目で見ても分からないレベルまで磨き上げます。一度は傷ついてしまった家具が、まるで最初からそうであったかのように美しく再生する。それがマルニファニシングの誇る職人技です。

修理を終え、HIROSHIMAアームチェアの美しさを取り戻した椅子

今日からできる、家具が喜ぶ「引き算」のセルフケア

「木本来の美しさを守る」ための日々のケアは、実はとてもシンプルです。 基本は「余計なものを足さない」こと。 ウレタン塗装なら乾拭きをメインに、オイルフィニッシュなら半年に一度のオイルケアで「潤い」を補う。その塗装に合わせた最適な手入れを重ねていくことが、家具を一生モノにする一番の秘訣です。

日々の正しいセルフケア:柔らかい布での乾拭き
    • 基本は「埃を払う・乾拭きする」:柔らかい綿100%(使い古した清潔なTシャツなどで構いません)の布で、優しく撫でるように拭くだけで、塗装の美しさを長く保てます。
    • 水拭きは「固く絞って」:汚れが気になるときは、中性洗剤を薄めたぬるま湯に布を浸し、限界まで固く絞ってから拭き上げてください。特にオイルフィニッシュは水分を吸収しやすいため、最後に必ず乾拭きをして水分を完全に飛ばすのが鉄則です。
    • アルコール成分は厳禁:除菌スプレーやシートは、ウレタン塗装を白濁(変色)させたり、ウルトラスエード®をはじめとする繊細な起毛素材や繊維の風合いを損なう原因となります。一度変質すると修復が困難なため、アルコール消毒液が家具に直接触れないよう十分ご注意ください。

「プロの出番かな?」の見極めサイン

「がたつき・ぐらつき」や「木部のひび割れ」など、不意にサインが出たら早めにプロへご相談ください。放置してしまうと、他のパーツにまで負担がかかり、修理が大掛かりになってしまうこともあります。

「これくらいで連絡してもいいのかな?」と迷うときこそ、ぜひ私たち職人を頼ってください。まずは状態がわかる写真を送っていただくだけでも構いません。プロの診断と手仕事で、あなたの暮らしに寄り添う家具を、再び安心して永くお使いいただける状態へとお戻しいたします。


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